Longtail`s Cafe 昨日までの言霊

vol,2

台所の紙袋の中に宝石を隠し 砂糖つぼにはコカイン
電話で何でも手に入る 車は使い放題 街中にある隠れ家
週末に3万ドルも賭け 派手に勝ち金を使ったり 胴元に払ったり…
そんなこと何でもなかった 金がなくなりゃ盗みに行けばいい
何でもやった デカを金で買い 弁護士や裁判官も買収した
だれもが金で動き 思い通りになった だが もう終わりだ

おれには つらい すべてが変わった
賭博もやらず 行列に並んで待つ
食い物も ひどい スパゲッティのマリナーラ・ソースはただのケチャップ
クソ面白くない これが死ぬまで続く

マーチン・スコセッシ監督作品/松浦美奈 訳 映画『グッドフェローズ』より

今でも手元に残る自分が描いた一番古い絵から現在に至る絵を時間軸にできるだけ並べること、やりたいことはそれだ。
その極私的な事柄を綿密に組み上げていくことの先に何か出会ったことのない世界があるに違いない、その思いは二年経った今も
変わりはない。
それが「芸術」なのか「膨大な無駄な時間の集積」なのか、そこに今は興味がないしまた自分が決めることでもない。
できることなら例え一本の線しか描かれていないものでも自分のつくり出したものならすべて時間順に並べて見てみたい、それが
第一の希望であるが、当然与えられた空間には限りがありすべてを並べることは不可能だ。しかしできる限りその流れに沿って
思いを貫くこと、その先には自分でも意識したことも見たこともない空間が立ち上がるに違いない、そう確信している。
「芸術」とはいつの時代でも「名付け得ぬモノ」、まずそれが基本であると思うのだ。

大竹伸朗 『ネオンと絵具箱』より

「春ちゃんさぁ、何でミキサーになろうと思ったの?」
「まあ、何でミキサーになんねぇのって感じかなぁ…おれ的には…
違う?答えになってない?」
「ううん、なってる」
「なってるっしょ」

石井克人監督作品 映画『茶の味』より

「バカだこんな死が…」
見つけた 永遠を それは海 そして太陽

ジャン=リュック・ゴダール監督作品/関美冬 訳 映画『気狂いピエロ』より

見るとは、みずからを一本の眼差しそのものと化すことによって、これまで見ていたと信じていたもの、その〈内容〉〈意味〉をほかならぬこの眼差しの上で崩壊させてゆくこと、そしてそれを通して私を突き崩し、同時に、私を無限に創造してゆくことではないか。

篠山紀信中平卓馬 『決闘写真論』より

他人の趣味にケチをつける気はないよ、と私は言った。
「だから、ケーナの話はこれで終わろう、オレは一人でケーナを吹いて楽しんでいる人にどうのこうの言う気はない、ただね、
表現しなくても済む人はしないでもいいんじゃないかって思うだけでね、表現は大前提的によいことという風にこの国ではなってるけど、
フラメンコはすばらしいけどさ、フラメンコを作り出さざるを得なかったジプシーと、フラメンコを踊らずに済むスペイン人と比べても
どっちが幸福かはわからんぞ」
「そりゃそうかも知れませんけど」
「だからさ、その人は、ケーナを吹くのなんか止めて、魚釣りをすればいいんじゃないかな、この辺は鯛もよう釣れるし」

村上龍 『長崎オランダ村』より

毎日の生活は食うための作業に追われ、精神的に実りのない作品が生産されるのみである。農家の思想では米を作ったり、野菜を栽培するといった、現状維持しながら食いブチを稼ぐ作業を「生業」といい、まだ整地されていない土地を耕したり、田んぼのあぜ道を整えたりという、これからの発展を考えた作業のことを「仕事」という。
今ではなく、未来のための作業が「仕事」。ということは、ボクは何も仕事していないことになる。
しかし、ボク自身の問題は「仕事」よりも、「芸術」をしていないことなのだ。どーゆーことが芸術なのかさっぱり見当がつかんのだけど、ボクの目指す空気があって、『爆発する風流な芸術空間』。風流でありながらもHOTで心地よい。その理想の芸術環境を形成するために、今何か、実りのあるプチ芸術をしなければイケナイのだが、それを邪魔するのが充血する海綿体。平たくいうと汗をダラダラ流すチンポなのである。
何かひとつ行動するにしてもどこかにスケベ根性やチンポな気分が介入してきては、本質をチン汁で見えにくくしてしまう。

リリー・フランキー 『美女と野球』より

傷ついた翼はもう
おしまいというけれど
だからこそ僕らが
急ぎ足を止めにしよう
ママがくれたぶ厚い本
役に立てるのさ

UA/UA 作詞 『プライベート サーファー』より

もう2度と戻れない今日を
無駄にしないで
夢を見て
君の運命の
凄い予感を

とある100?のマンション迎えた朝のエレベーター
女物のサンダルを履いて バスローブを羽織って
暖房に火照った身体 冷たい外気に晒して
ポサポサ頭で透明なゴミの袋ふたつ持って

wake up! Morning Morning Glory
はかなさが湯気をたてて今
I Can't Stand My Self
お風呂場の窓から揺らめいてるぜ
wake up! Morning Morning Glory
やるせないのはきっと青空のせいだ

クレイジーケンバンド/横山剣 作詞 『朝』より

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